交通事故の休業損害
交通事故の損害賠償問題においてしばしば用いられる言葉に、休業損害というものがあります。
このページでは、交通事故に関するさまざまなキーワードのなかから、休業損害に焦点をあてて、ご説明いたします。
■損害賠償の種類
交通事故において被害者の方が加害者に対して請求することができる損害賠償は、財産的損害と精神的損害の2つの種類に大別することができます。
財産的損害は文字通り被害者の財産に対する損害をさし、精神的損害に対する損害賠償金はいわゆる慰謝料のことをさします。
財産損害はさらに積極損害と消極損害に分けることができます。
積極損害とは交通事故によって被害者が支出を強いられた分の損害をさし、消極損害とは交通事故がなければ得られていた利益の分の損害をさします。
■休業損害とは
休業損害は前述の消極損害に該当します。
休業損害は、被害者の方が交通事故に遭わなければ、仕事をして得ることができた利益、すなわち交通事故を原因とした休業によって減少した収入分をさします。
また、専業主婦(主夫)の方も休業損害を請求することが認められています。
■休業損害の算定
休業損害の算定には3つの基準があり、どの基準を用いるかによって休業損害の金額が変わります。
1つ目は、自賠責基準と呼ばれる基準です。
自賠責基準は、自賠責保険の基準であり、1日あたり5,700円(2020年4月1日以降の事故では6,100円)で休業日数と掛け合わせて計算がなされます。
2つ目は、任意保険基準と呼ばれる基準です。
任意保険基準の詳細については非公開ですが、後述の裁判基準に近いとされています。
3つ目は、裁判基準です。
弁護士基準は、裁判所や弁護士が利用している基準で、1日あたりの基礎収入額と休業日数をかけて計算されます。
1日あたりの基礎収入額とは、事故直前の3か月の給与を1日あたりの平均にした金額です。
このように、休業損害はどの基準を用いるかで損害額が大きく変わります。
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