人身事故と物損事故の違い
交通事故を大きく二つに分けると、人身事故と物損事故に分けることができます。皆さんも聞いたことがあるでしょうこの二種類の交通事故ですが、いったいどのようなところが違うのでしょうか。このページでは、人身事故と物損事故の違いについて詳しくご説明してまいります。
■人身事故とは
人身事故とは、文字通り『人が怪我をしてしまった事故』をさします。広い意味でとらえて、被害者が亡くなられてしまった事故も含んだ使い方がなされている場合もありますが、そのような事故は正確には死亡事故といわれます。人身事故には、後遺症、とくに自賠法施行令に定められた条件を満たした後遺障害が残ってしまったケースも含まれます。
■物損事故とは
物損事故とは、文字通り『物が損壊されてしまった事故』をさします。人の乗っていない駐車中の車が壊されたり、営業中の店舗の一部が壊されたりといったケースが代表的な物損事故です。場合によっては、人が乗っていた車の事故であったとしても、怪我がなく被害者側も納得した上で物損事故とするケースもありますが、あまりおすすめしません。むちうちなど、後から身体に症状が現れるケースもあるからです。
■人身事故と物損事故の違い
人身事故と物損事故の大きな違いは、自賠法が適用されるかどうかです。自賠法とは、自動車損害賠償保障法のことです。
自賠法は、『自動車の運行によつて人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立することにより、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的』として作られました。(同法第1条)
自賠法には二つの特徴があります。
1つ目は、無過失責任主義です。
無過失責任主義とは、加害者側が無過失であったことを立証する責任があるとして、立証できない場合には過失があったものとする考えのことです。
交通事故の場合、過失が一切なかったことを立証するのは非常に難しいため、被害者側からしてみると、相手の過失を立証せずとも損害賠償を請求することが可能になるのです。
2つ目は、運行供用者責任です。
運行供用者責任とは、事故の直接的な加害者である車を運転していた人だけでなく、車を実質的に支配していた人にも責任を問うことができるとすることです。
上記二つの特徴を持つ自賠法ですが、人身事故には適用されますが、物損事故には適用されません。
物損事故で損害賠償請求をする場合には、被害者側が加害者に過失があったことを立証した上で、民法上の不法行為責任(民法709条)として損害賠償請求する必要があります。
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