相続放棄のメリット・デメリット
遺産相続で受け継ぐものとしてよくイメージするものは不動産や預貯金などでしょうが、借金などの相続人にとって負担となるものも相続財産になります。ここでは相続放棄という手続きについて確認していきましょう。
■相続放棄とは
ご両親が亡くなったときなど、ご自身が法定相続人となったときも必ず財産を相続しなくてはならないわけではありません。相続放棄を選択すると、もとから相続人ではなかったことと同じ扱いとなります。相続放棄をした方がいい場合とはどのようなときなのか、また、相続放棄を選ばない方がいい場合はどのようなときなのか、相続放棄のメリットとデメリットについての知識を整理します。
■相続放棄のメリット
・借金を受け継がない
相続放棄が最も効果をあげるのは、故人様が多額の借金を抱えたまま亡くなった場合です。借金などの負債も相続財産として扱われるため、故人様の預貯金や不動産の価値よりも借金が大きいときなど相続をしてしまうことが損になる場合もあります。相続放棄ではご自身の子や孫などに相続権が移動しないため、相続が原因で負債を抱える可能性がなくなります。
・相続争いから解放される
相続は必ずしもスムーズに進むものではありません。自宅をどう処分するかなど、価値のある不動産がある場合でもその扱いは難しいものです。相続放棄で相続関係の複雑な手続きがストレスとなることから解放されます。
■相続放棄のデメリット
・一切の財産を受け継ぐことができない
相続放棄とははじめから相続人ではなくなることなので、必要な財産がある場合でもそれを受け継ぐことができなくなります。
・家族関係が悪化することがある
法定相続では相続人に順位があり、それに従って移動していくこととなります。
まず相続人となるのは故人様の子どもですが、子ども全員が相続放棄をしたときは故人様の親が相続人となります。ご両親も相続放棄をした場合はさらに故人様の兄弟姉妹へと相続権がうつります。自分が相続放棄をして借金から免れたといっても、その借金がなくなるわけではないことに注意が必要です。
・撤回ができない
一度相続放棄をしてしまうと、脅迫されていたなどの例外を除き撤回することができません。慎重な判断が必要です。
このように相続放棄には様々なメリットとデメリットが存在します。ケースによって最適な対応は異なります。相続問題に悩んだ際には、専門知識と経験に基づいて様々なアドバイスを行える弁護士にご相談ください。
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